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A工事・B工事・C工事の区分の違いを分かりやすく解説!
2022年07月29日
オフィスの内装工事の際などに「A工事・B工事・C工事」という言葉を聞くことがあります。
A工事・B工事・C工事とは、借主と貸主の間で「誰が工事費用を負担するのか」「誰が施工業者を選定するのか」という観点で分けられた工事区分のことです。
A工事・B工事・C工事の内容を知らないと、後で思わぬ出費を強いられる可能性もあります。
トラブルを回避するためにも、A工事・B工事・C工事の基本を理解しておきましょう。
この記事では、A工事・B工事・C工事の違いについて分かりやすく解説します。
A工事・B工事・C工事の区分表
「A工事・B工事・C工事」とは、以下の3つの点に着目して分類された内装工事の区分をいいます。
・貸主と借主のいずれが工事費用を負担するか。
・貸主と借主のいずれが施工業者を選定するか。
・貸主と借主のいずれに所有権があるか。
実際の改修工事や原状回復工事などの際には、「工事区分表」が作成されることがあります。
工事区分表とは、「誰の資金で」「誰の責任で」工事を行うのかを明示した表のことです。
工事区分表を活用することで、工事の責任者や費用負担が明確になり、貸主と借主の間のトラブルを未然に防ぐことができます。
A工事とは?
A工事
・費用負担:貸主
・施工業者の選定:貸主
・所有権:貸主
A工事は、ビルの構造部分・共用部分・通路などビル本体の工事です。
建物自体の維持に関係する工事であるため、費用負担や業者の選定は全て貸主の責任であり、所有権も貸主に帰属します。
B工事とは?
B工事
・費用負担:借主
・施工業者の選定:貸主
・所有権:貸主
借主の希望で行われるテナント内の工事であるため、費用は借主の負担です。
排水設備・空調設備・消防設備などの工事がメインになりますが、ビル全体の安全性や工程に影響を与える可能性がある箇所に関しては、自由な工事が制限されています。
B工事では施工業者の選定は貸主が行うため、工事費用のトラブルが生じやすい傾向があります。
C工事とは?
C工事
・費用負担:借主
・施工業者の選定:借主
・所有権:借主
C工事は、費用負担・施工業者の選定はともに借主の責任であり、所有権も借主に帰属します。
C工事はビル全体の施設・安全性・工程に比較的影響を与えない範囲で認められる工事で、具体的にはテナントの内装・電話・配線などの工事が該当します。
C工事を行うには、貸主の承諾が必要です。
特に注意が必要なのがB工事
ABC工事の中でも、特に注意が必要なのがB工事です。
テナントに入居する際に契約書を読まなかったために、後々貸主とトラブルになるケースが多くあります。
特にトラブルが起きやすいのが費用面です。
B工事では貸主が施工業者を選定するため、想定していた工事費用よりも高くなる可能性があります。
例えば、借主側で見積もっていた金額よりも2~3倍も高くなるケースが多いです。
貸主はビルの構造をよく知っている業者などに施工を依頼するため、どうしても費用が高くなる傾向があります。
B工事では施工業者を選定する権限は貸主側にあるため、借主が費用の安い業者に依頼したり、業者と値下げ交渉をしたりすることは難しいです。
工事費用を巡るトラブルを回避するには、以下の方法を試してみてください。
貸主と交渉してA工事にしてもらう
貸主とテナントのどの箇所を工事するのかを、きちんと相談することが重要です。
貸主が提示した見積もり額が想定した金額を大きく上回る場合は、見積もり額について貸主と相談し、A工事に切り替えることはできないか交渉してみましょう。
貸主がA工事での施工に同意してくれた場合は、費用は貸主の負担になるため借主の費用負担はなくなります。
C工事の業者に同じ工事内容の見積もりを出してもらう
「C工事の業者に、同じ工事内容の見積もりを出してもらう」という方法もおすすめです。
その見積もりを貸主かB工事の業者に提示し、「実際にはこの程度の見積もり額になるのでは」と相談します。
そうすることで、場合によっては、B工事の業者が当初提示した見積もり額より安くなる可能性があります。
極力早いタイミングでC工事の業者に見積もりを出してもらうことで、有利に値段交渉をすることができるでしょう。
まとめ
以上、A工事・B工事・C工事とは何かについて解説いたしました。
テナントの工事に関しては、特に費用面で借主と貸主の間でトラブルが起きがちです。
トラブルを回避するためには、A工事・B工事・C工事の違いを理解し、事前に「費用負担者」「業者の選定者」について明確にしておくことが大切です。
特にB工事でトラブルが起きやすいため、十分に注意してくださいね。
テナントの工事では確かな実績と高い技術力を持つ業者に依頼することが重要です。
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