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スプリンクラーの設置基準とは?知っておきたい3つの種類と特徴

2023年05月31日

火災の早期消火に有効なスプリンクラーには、消防法で細かい設置基準が定められています。
そのため専門的な知識や技術が必要であり、適切な設置をしないと、火災発生時に思うような消火ができないかもしれません。

本記事では、スプリンクラーの設置基準についてわかりやすく解説します。
内装工事におけるスプリンクラーの設置を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

スプリンクラーの設置基準とは?知っておきたい3つの種類と特徴

【基礎を解説】スプリンクラーを設置する意味

スプリンクラーは消防用設備の一つで、火災感知から初期消火までを行う設備です。
防災設備の中では、初期費用が高くなる傾向があります。

しかし、スプリンクラーは初期消火の効果が高いため、被害を最小限に抑えるためには設置が必要です。

費用がかかる設備の設置をためらう方もいますが、スプリンクラーには設置義務があるため該当していないか確認をしておきましょう。

スプリンクラーの設置基準

スプリンクラーの設置基準は、消防法施行令12条に定められています。
細かく複雑で、プロでも完璧に覚えるのは難しいといわれています。
ここでは簡単なポイントを抜粋して紹介しましょう。

設置義務があるかどうかのポイント3つ

スプリンクラーの設置義務があるかどうかは、主に3つのポイントで判断されます。

・建物の階数
・建物の用途
・建物の延べ面積

階数によって想定される被害が変わるため、基準の厳しさも変わります。
被害が大きくなりやすい11階以上の高層階建築物は、建物全体に設置義務が発生するため注意してください。
用途や面積も同様に、火災時の被害が大きくなると予想されるほど基準も厳しくなっています。

設置義務があると決められている施設

施設用途によって、階数や面積とは関係なく設置が義務づけられるケースもあります。
義務づけられている施設は「病院・診療所・助産所」です。

また、以下の条件に当てはまる施設にも義務が生じます。

・地上1階から3階の建物で、延べ面積が3,000~6,000㎡
・地上4階から10階の建物で、延べ面積が1,000~1,500㎡
・地階または窓がない建物で、延べ面積が1,000㎡以上

建物の種類によって、対象となる面積が変わるケースもあります。

スプリンクラーの種類と特徴

日常的に使用する設備ではないため、スプリンクラーの種類について知らない方も多いでしょう。
主に以下の3種類があります。

・開放型スプリンクラー
・放水型スプリンクラー
・閉鎖型スプリンクラー

ここではそれぞれの特徴と、どのような建物に向いているか解説します。

種類①開放型|劇場や倉庫に多い傾向

開放型はヘッド部分に感熱部がありません。
連動させた自動火災報知設備の感知器が火事を感知すると、放水されるタイプです。
そのほか、手動起動装置や制御盤からの放水も可能です。

劇場や倉庫など、急速に火災が拡大しやすい場所に向いています。

種類②放水型|展示場やイベント会場に多い傾向

放水型には固定式と可動式とがあります。
固定式は壁や天井に固定されたヘッドから放水し、可動式は放水中と呼ばれるヘッドから放水します。

どちらも、火災感知器などが火災を感知すると放水されるタイプです。
展示場、イベント会場のほか、デパートなど、大空間や天井が高い場所に向いています。

種類③閉鎖型|設置場所に合わせて3種類

閉鎖型は、放水口が常に閉じられている設備です、
さらに3種類に分類されます。

湿式スプリンクラー ・最も一般的なタイプ

・火災の熱を感知し自動的に放水する

乾式スプリンクラー ・凍結の恐れがないため、寒冷地に多い

・火災の熱を感知してから、パイプ内に水が充水される

予作動式スプリンクラー ・乾式スプリンクラーに火災感知器を連動させたもの

・水損被害が大きいサーバー室、電気機器室、美術館などに設置される

設置する場所によって適切なタイプが変わるため、専門業者へ相談するとよいでしょう。

スプリンクラーの設置基準を満たしたら

消防法の記載を見て設置基準を満たしていると確認できたら、次に行うべき行動があります。

1.自治体の基準を確認する
2.消防署に届出を行う
3.依頼先の選定・問い合わせをする

消防法では基準を満たしていなかった場合も、自治体の基準は確認してください。
理由について、以下で詳しく解説します。

やること①自治体の基準を確認する

自治体によっては、消防法より基準が厳しいところもあります。
消防法の基準は満たしていなくても、自治体の基準を満たしているケースがあるため、確認が必要です。

防災設備は、ルールに合わせて最適なものを設置する必要があります。
すでに消防法の基準を満たしている場合も、自治体の基準でどういった設備が必要か確認しましょう。

やること②消防署に届出を行う

消防用設備の工事を行う際は、消防署へ届出が必要です。
届出が必要な設備、提出する書類、何日前までに届け出る必要があるかなど、ルールも決まっています。

あらかじめ自分で確認するか、自信がない方は専門業者などのプロに相談しましょう。

やること③依頼先の選定・問い合わせをする

スプリンクラーの設置が決まったら、依頼する施工業者の選定や問い合わせを行いましょう。

業者によって得意分野や料金が異なります。
複数の業者から見積りをとって比較すると、適切な価格で依頼ができますので安心です。

まとめ

スプリンクラーの設置基準は条件が細かく定められているため、難しく感じられます。
種類も複数あり、選びにくいと感じる方も少なくありません。

時間をかけて理解する方法もありますが、プロへの相談も方法の一つです。
疑問を解消するために、まずは問い合わせてみてはいかがでしょうか。

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